アアルトツアー/建築巡り⑫
『パイミオのサナトリウム』
1933年、結核患者の療養所として設計。
アアルトの出世作として知られ、機能主義建築をもたらしたということだけでなく、患者の気持ちや心地良さを取り入れた建築は本当に心を動かされました。
当時は新鮮な空気を吸い、太陽の光を浴び、適度な運動をすることが最も必要だと考えられていたため、とにかく新鮮な空気を肺に送り込んで病原菌を追い出すために、豊かな白樺の森が広がるパイミオの地が適していたとのこと。
入って誰もが感じる色彩。
エントランスや階段には太陽を意味するイエローが使われ、病室や食堂の天井は外の森が広がる景観と繋がるようにとパステルグリーンを採用。
また、階段の手すりは認識しやすい濃い色を使用し、さらに常にきれいな空間を保つため、照明や階段、コーナー周りなど埃がたまらないように丸みを持たせているのも細かいこだわり。
パイミオチェアも座った時に肺が開いて呼吸がしやすい設計に。
また屋上には呼吸療法を行うための広いバルコニーが設置され、日差しや雨、雪から守るため後に屋根も増設されたそうです。
とにかく全てにおいて使う人、患者さんのための工夫が計算され尽くされていました。
ここまでの旅でアアルト20代の新古典主義初期の作品から、機能主義建築になるまでの作品を見てきた後に、このサナトリウムを見学してより驚きと感動がありました。
現在はガイドツアーも行っているので、アアルト建築としてぜひここは押さえておきたい場所です。
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